冨井大裕「4つの仕事」プレオンゴーイングスクール【後編】
 【資料閲覧室の作品について】
 

資料閲覧室には、冨井さんが「DIYシリーズ」と呼ぶ作品。

「DIYが作品に観えちゃう瞬間ってあるんですよね。ふつうアーティストが家具をつくると、とてもデザインに凝ったものになりがちでしょう?でも、このDIYシリーズはカッティング作業のみで出来る家具なんです。

普 段は、もともとある既製品を使ってヴィジュアルを意識しながら作品を制作しますが、このシリーズでは僕が一から個人的なこだわりを込めて作ります。所沢ビ エンナーレでDIYを展示したときは、作品だと気付かれず、お客さんが座ったり荷物を置いたりしていました。でもそれでいいんです。気がついたときに、少 しだけ違和感を感じてもらえればそれで成功なんです。

今回の作品も、僕なりにこだわって作ってるんです。資料閲覧室だから、ベンチがあった方が落ち着いて資料を見られるだろうと思って、気持ちよく座れるように工夫をしたベンチにしました。足元に荷物とか僕の今までの作品資料を置ける場所も設けています。」

冨井さんは、このDIYシリーズだけを並べ、さまざまな美術本や資料をゆっくり読んだりできる展示がしたいなぁと考えているそうです。


【資料閲覧室の作品について】
 

こちらの作品は、記憶に新しい方も多いかもしれません。つい先日の竜宮美術館の最終展示とつながりのある作品です。

竜 宮美術館には、天井が八角形に組まれている部屋があり、冨井さんはそこで展示をしたそうです。「この八角形に目を向かせるためにはどうしたらいいだろう」 と考え、八角形の中心に突き刺さるように単管の柱を一本立てました。その下に、竜宮美術館が元旅館だったことや、浦島太郎の物語の共通キーワード「旅」を 連想させるスーツケースを設置したそうです。

今回の展示のカフェスペースでは、その上下逆さバージョンが見られます。
カフェスペースと言えばカフェテーブル、ということで、テーブルに注目するための作品に変身しています。天井まで届く単管とテーブルの一本脚がまっすぐ連結しているように見え、気持ちのいい空間となっています。

「通常、僕の作品はあまり場所性と関連しないものが多いんです。どこに持って行っても成り立つというか。そういう意味では、このスーツケースの作品と、上のlight for lightは珍しいケースかもしれません。」

 
  
今まで知っていた言葉もモノも、冨井さんの口や手を通ると新しく見えます。
ひとつひとつが明確で、冨井さん独特の秩序を帯びるからでしょうか。

冨井さん、楽しいオンゴーイングスクールありがとうございました。
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