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ルーマニア野外映像祭

 

9月28日(土)19時より開催される「ルーマニア野外映像祭」!画像をクリックすると、各作品・作家の紹介ページにジャンプします。気になる作品をぜひチェックしてみてください!

1989年のルーマニア革命により当時の独裁政権が打倒されてから、ちょうど30年。その後のめざましい経済発展をへて、激動の時代の中、生きてきたアーティストたちが、いま何を考えているのか。少しでもルーマニアの現代のリアルを垣間見れる機会になれば、と願っています!

 

Adelina Ivan (b.1970)

1. "1.00 (ten)"(2016)

4. "Atena Adjusting Her Sandals" (2016)

20世紀のルーマニアにおける「身体」についての考察、そして自由の再定義。

 

 

Paul Muresan (b.1988)

2. "Nap" (2014) (訳注:原題"Pui de Somn" や "Baby Nap"というタイトルでも知られる)

6. "Mom, Dad, I have to tell you something" (2016)

世界各地で数々の賞を受賞した"Nap"は実は、彼なりの「夢」の礼賛。"Mom〜”は、いまだホモフォビアが根強いルーマニアにおいて、大切な作品。

 

 

Silvia & Bogdan (b.1991)

3. "Killing Hope" (2017)

SF映像小説。共産主義の思想をもつ若い女性が、精神病院らしき場所に幽閉される。

 

Cristina David (b.1979)

5. "114 Video Tapes" (2015)

セルフ・ポートレイトとしての映像作品。

 

Anca & Arnold (b.1977, 1978)

7. "No Shelter From the Storm" (2015)

昔から、森は、戦争が起きたとき、人々に自然の隠れ場所をあたえてきた。

| Onoging企画イベント | 14:46 | comments(0) | trackbacks(0) |
ルーマニア野外映像祭:上映作品7

9月28日(土)19時より開催される「ルーマニア野外映像祭」の作品紹介&作家紹介です。当日の会場でも解説シートが配布されますが、事前に知っておくとより楽しめるかもと思う情報をここに掲載してゆきます。今回は、Anca Benera / Arnold Estefan(それぞれ1977年、1978年生まれ)による、上映順Г虜酩覆鬚款匆陲い燭靴泙后

作品7

Anca Benera & Arnold Estefan 
No Shelter From the Storm(嵐から隠れる場所がない)
2015
HDビデオ
5分43秒

 

大量の森林が伐採された東欧の風景の中、アーティストたちが口笛を吹きながら歩く。曲は1960年代の有名な反戦歌「花はどこへ行った」。長年にわたりさまざまな言語でレコード化され、演奏されてきた曲だ。オリジナル歌詞は1956年にピート・シーガーが、『静かなドン』(ミハイル・ショ−ロホフ作、1928年)に登場するウクライナのコサック民謡を参考にしてつくった。『静かなドン』は、世界大戦と国内戦という二つの形の戦争を背景に描かれた大河小説である。

歴史をふりかえると、戦争中、森林はいつも人々に自然の隠れ場所を提供してきた。森林に逃げ込むことが、多くの人々にとって唯一の選択肢だった。現代の状況はどうだろう。軍備拡張競争、強国間の権力争い、あらゆる形の戦争がもはや日常となっている今、かつて地球を覆っていた森林のほぼ半分はもうなくなってしまった。

作家プロフィール
Anca Benera(1977年生まれ)とArnold Estefan(1978年生まれ)はルーマニアのブカレストを拠点に活動するアーティスト。彼らのインスタレーション、映像、パフォーマンスといった作品は、リサーチをもとに制作され、歴史的、社会的、地政学的な物語の裏にある、目にみえないパターンを暴く。近年の作品では、世界各地にある人工的なランドスケープに関するリサーチを行っている。これは、人工的なランドスケープの開発や、(その場所になんらかの修正を加える意味合いのある)ランドマークの設置が、その国の国家的暴力の加速や資源の過剰採取と連動していると考えているからである。
ウェブページ
アーティスト紹介(IVAN GALLERY)
これまでさまざまな個展、グループ展への参加経験をもつ。近年のものに「Persona」ヨーロッパ地中海文明博物館(2019年、マルセイユ、フランス)、「Liquid Horizons」Tranzit.sk(2019年、ブラチスラバ、スロバキア)、「What ties us together」(2019年、リヨン、フランス)、「The Last Particles」40mcube(2019年、レンヌ、フランス)、「MAC International Art prize」メトロポリタンアーツセンター(2018年、ベルファスト、北アイルランド)、「Manufacturing Nature / Naturalizing The Synthetic」FRAC des Pays de la Loire(2018年、ナント、フランス)、「The Trouble with Value」Onomatopee (2018年、エイントホーフェン、オランダ)、「Remembering Landscape」 Museum für Gegenwartskunst Siegen(2018年、ドイツ)、「Natural Histories. Traces of the Political」ルートヴィヒ財団近代美術館(2017年、ウィーン、オーストリア)、「Remastered. The Art of Appropriation」Kunsthalle(2017年、クレムス、オーストリア)、「Dreams&Dramas. Law as Literature」NGBK(2017年、ベルリン、ドイツ)「Sights and Sounds: Global Film and Video」,The Jewish Museum(2016年、ニューヨーク、アメリカ)「We only went to NASA together」MAK Center(2016年、ロサンゼルス、アメリカ)など。
 
| Onoging企画イベント | 13:44 | comments(0) | trackbacks(0) |
ルーマニア野外映像祭:上映作品5

9月28日(土)19時より開催される「ルーマニア野外映像祭」の作品紹介&作家紹介です。当日の会場でも解説シートが配布されますが、事前に知っておくとより楽しめるかもと思う情報をここに掲載してゆきます。今回は、Cristina David(1979年生まれ)による、上映順イ虜酩覆鬚款匆陲い燭靴泙后

 

作品5

Cristina David
114 Video Tapes (114本のビデオテープ)
2015年
ビデオ
12分3秒

 

『114本のビデオテープ』は、作家のセルフポートレイトとしての映像作品。

2015年、中欧・東欧出身のアーティスト情報をまとめたデータベース「Artycok.tv」を発行するため、「tranzit.ro/Iasi」(*)が、Cristinaに依頼し制作された。現在では、映像以外にもさまざまな表現手法をつかうCristinaだが、アーティストとして一番初めに惹かれたのは、映像表現だった。そのため「Artycok.tv」のための作品を依頼された際、いままで集めた大量の映像素材を用いて作品をつくり、自身を「映像作家」としてデータベースに掲載することに決めた。

本作品は、2003〜2014年12月に集めた114本のminiDVテープから、それぞれ6秒間ずつ抜き出して制作したコラージュ。映像をとおして自分を表現することが最も心地よく、喜びを感じていた時期の記念碑的な作品ともいえる。

 

訳注*)Iasi(ヤシ)は、ルーマニア東部の都市名。「tranzit.ro」は、2012年にヤシで発足し、ブカレスト、クルジュ、シビウなどの都市で活動を展開しているアート・イニシアティブ・ネットワーク。

 

作家プロフィール

Cristina David (1979年、ルーマニア生まれブカレストを拠点に活動するアーティスト。ルーマニアの国立ブカレスト芸術大学数学科で学び、2007年にノルウェーのベルゲンにある国立芸術アカデミーでファインアート修士号を取得。

世界中のギャラリーや美術館で展示経験をもつ。主な展覧会場およびイベントとして、ルーマニア国立現代美術館、ビデオアートビエンナーレ(テルアビブ)、Shedhalle(チューリッヒ)、Montehermoso Art Space(ヴィットリア/スペイン)、Futura Gallery(プラハ)、Manifesta8(スペイン)、The Performance Art Institute(サンフランシスコ)、Rotor gallery(グラーツ)、Freiraum Q21- MuseumsQuartier(ウィーン)、tranzit.org/ Iasi, Flora gallery(ドゥブロブニク)など。2014年には、最初の出版物「フェイクス」をtranzit.ro/lasiから刊行。2015年には、美術理論家Alina Serban Cristinaと共同で、「カタストロフの道化師:ルーマニア、旧ユーゴスラヴィアおよび旧ソビエト圏での急進主義、ユーモアとアイデンティ政治学の10年」という1学期の大学コースを国立ブカレスト芸術大学で開始。2017年以降、大衆に向けたものではなく、自分自身の幸福と慰めのための連作の制作を始める。また、建築家Ana- Maria Machedonと長年にわたりコラボレーションをおこなう。

アーティスト紹介ページ:http://ivangallery.com/index.php/cristina-david/(IVAN GALLERY)

| Onoging企画イベント | 13:25 | comments(0) | trackbacks(0) |
ルーマニア野外映像祭:上映作品3

9月28日(土)19時より開催される「ルーマニア野外映像祭」の作品紹介&作家紹介です。当日の会場でも解説シートが配布されますが、事前に知っておくとより楽しめるかもと思う情報をここに掲載してゆきます。今回は、Silvia Amancei & Bogdan Armanu(ともに1991年、ヤシうまれ)による、上映順の作品をご紹介いたします。

 

作品3

Silvia Amancei & Bogdan Armanu
Killing Hope
(キリング・ホープ)
2017年
デジタルビデオ
10分52秒

SF映像小説。登場人物HOPE(ホープ)は、共産主義的な信念をもつ若い女性である。彼女は精神病院に幽閉され、医師は革命思想の「治療」を試みる。

この作品は、ブカレストで開催された「Return to Spaceship Earth(宇宙船地球号への帰還)」という展覧会のため、Salonul de proiecteから依頼を受け、制作した。

訳注)タイトルの「Killing(キリング)」は「殺すこと、抹消すること」、「Hope(ホープ)」は「希望」の意味。

 

Silvia Amancei & Bogdan Armanu プロフィール

Silvia(1991年生まれ)とBogdan(1991年生まれ)は、ルーマニアのヤシ市に在住し活動するアーティストカップル。ジョルジュ・エネスク芸術大学でビジュアルアートおよびデザインを専攻し、2013年に学士号、2015年に修士号を取得。
SilviaとBogdanは、自分たちの活動を、社会学とビジュアルアートの境界線上にあると位置づける。彼らは制作をつうじて、アートおよびアート的手段が、いかに「資本主義の先にある(共通の)未来を創造するための能力を刺激できるか」、その手法と事例をリサーチしている。

紹介ページ:http://electro-putere.com/artist/silvia-amancei-bogdan-armanu#sel-works

(Electro Putereのページ内。"next"をおしていくと彼らの作品の画像がみられます)

2012年以降共同で制作し、生命搾取のパラダイムを探求する個展シリーズを開催。「If Then What After(過去と未来の因果関係)」(2019年、バーデン、オーストリア)、「What Past? What Future?(どんな過去?どんな未来?)」(2017年、リンツ、オーストリア)、「When atoms collide and disturb entropy(原子が衝突してエントロピーを乱すとき)」(2017年、クラヨーヴァ、ルーマニア)、「Return to Spaceship Earth(宇宙船地球号への帰還)」(2017年、ブカレスト、ルーマニア)、「Depression, Uncertainty and other symptoms of Mortality(うつ病、不確実性および死をとりまく様々な症状)」(2016年、ウッチ、ポーランド)、「In Search for Causes and Realities(原因と現実を求めて)」(2016年、ヤシ、ルーマニア)、「Clinical Architectures for a Compositionist Future (Part II)(コンポジショニストの未来のための臨床建築(パートII))」(2016年、ヤシ、ルーマニア)、「Constellations of Desires(欲望の星座)」 (2016年、ヤシ、ルーマニア)、「(No)Future」(2015年、エッケルンフォルデ、ドイツ)、「No Hope For a Future(未来に希望はない)」(2015年、ルーマニア、ヤシ)、「Metropia(メトロピア)」(2014年、ヤシ、ルーマニア)など。

 

 

 

| Onoging企画イベント | 12:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
ルーマニア野外映像祭:上映作品2&6

9月28日(土)19時より開催される「ルーマニア野外映像祭」の作品紹介&作家紹介です。当日の会場でも解説シートが配布されますが、事前に知っておくとより楽しめるかもと思う情報をここに掲載してゆきます。今回は、Paul Muresan(1988年うまれ)による、上映順△鉢Δ虜酩覆鬚款匆陲い燭靴泙后

 

作品2

Paul Muresan

NAP(うたた寝)

2014年

紙に手描きのアニメーション

5分22秒

「不眠症の感覚」と「短い夢の数々」に着想を得たショートフィルム。「人々は想像力の豊かさには注目するのに、実際に頭の中に広がっているスペクタクルのことは無視しがちだ。これを世界と共有すれば、内面世界を考えるプラットフォームにもなり得るのに」と、作家のPaulは考えている。

夢の内容をメモして映像にすることで、夢がただのノイズではなく、インスピレーションの源になり得ることに気付かされたという。また本作品は、夢の「謙虚さ」に対する称賛でもある。夢たちは驚きと意外性にみちているのに、たった1人に見せるためにうまれ、拍手を望むわけでもなく消えていくのだから。

 

作品6

 Paul Muresan

Mom, Dad, I have to tell you something

(母さん、父さん、話があるんだ)

2016年

紙に手描きのアニメーション

5分41秒

ホモフォビア(同性愛者に対する拒絶と偏見)がいまだ根強く残るルーマニアで、作家から両親へのカミングアウトをテーマに制作されたパーソナルな作品。作品内で、主人公は「母さん、父さん、あなたたちは『モンスター』を作ってしまったんだよ」という説明を試みる。これは作家の「僕を理解してほしい」という叫びであり、同時に、彼が受けてきた抑圧について両親に認識してほしいという願いでもある。

この短編フィルムは、ルーマニアで初めてLGBTを題材に制作されたアニメーションであり、多様性についての議論をうむきっかけをつくり、マイノリティが声をあげ団結する手助けをした。

 

 作家プロフィール 

Paul Muresan(1988年、ビストリツァ=ナサウド生まれ) は、ルーマニアのアーティスト、ディレクター、アニメーター、イラストレーター。ビジュアルアートの分野で経験を積み、ヨーロッパ各地でパーソナルなドローイングを発表してきた。短編アニメーション『Nap(うたた寝)*』(2014)で複数の賞を獲り、アニメーション監督としての知られるようになる。その後、『母さん、父さん、話があるんだ(Mom, Dad, I Have to Tell You Something)』(2016)を発表。彼の短編フィルムは、世界各国の映像祭で上映されてきた。

現在は、博士課程で「パラレルワールドとしての2Dアニメーションで探る死後世界(death as a parallel universe explored in 2D animation)」について論文を書きながら、個人的なプロジェクトに取り組んでいる。

訳注*) ルーマニア語の原題『Pui de Somn』でも知られる。また『BABY NAP』というタイトルで紹介されることもある。

アーティスト情報のfacebook

https://www.facebook.com/muresanpaulmihai/  

| Onoging企画イベント | 12:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
ルーマニア野外映像祭:上映作品1&4

9月28日(土)に開催される「ルーマニア野外映像祭」の作品紹介&作家紹介です。当日の会場でも、解説シートが配布されますが、ここでは、事前に知っておくとより楽しめるであろう情報だけぬきとってお届けします!まずは、上映順,鉢い虜酩覆ら。どちらもAdelina Ivan (1970年、ブカレスト生まれ)の作品です。

 

作品1

Adelina Ivan

1.00 (ten)  (1.00(10))

2016年

ビデオ 16x9

3分40秒’

Adelina Ivanは制作をとおして、20世紀の教育・訓練の場における、女性の身体への偏愛やフェティシズムに光をあてる。かつてのルーマニアにおける、学校教育、スポーツ競技、職場はすべて、身体と欲望を訓練し、社会から求められるマシーンへと変貌をとげるための試験場だった。

『1.00(ten)』は、かつて世界を驚嘆させ、オリンピックを目指す少女たちの憧れの的となった、ナディア・コマネチの姿を思い起こさせる。ナディアが活躍した時代は、身体がテクノロジーを超えると信じられ、「完璧な状態」とは薬などではなく鍛錬によってこそ達成されると考えられた時代だった。

本作品で、Adelinaは、現代を生きる少女たちに、昔の少女たちが「オリンピックごっこ」を楽しむ姿を再演させる。

 

作品4

Adelina Ivan

Atena Adjusting Her Sandal (靴ひもを結ぶアテナ)

2016

ビデオ 16x9

4分30秒

体操服を着た少女たちの哀愁。まるでフェミニンな夢のような気配を帯びた世界からスタートする本作品。少女たちは崩壊寸前の世界に閉じ込められているが、誰も逃げ出して自由を手に入れようとはしない。少女たちは連隊システムの中で互いに縛り付けられている。連隊システムは身体ごと物語の中に取り込み、抵抗のメカニズムを奪う。どんな小さな別行動も許されない。そんな中、少女アテナの行為が、自由の意味を再定義する。

1988年の体育教育は、健康的な若者たちの肉体を、大人たちが耕し、権威主義の種を植え付ける場だった。同じような体つきの少女たちが腕を動かし、時計のように設計されたとおりに動く。アテナのマイペースでウィットに富んだ反抗は、そんな不自然な状況にひそむ空虚感と陰険さに、無邪気にアプローチする。

 

 

作家プロフィール 

Adelina Ivan(1970年、ブカレスト生まれ)は、テキスタイル、写真、インスタレーション、映像を通して、光と記憶を扱うアーティスト。彼女の個人的な物語は、時間、空間、記憶の重なりと、それらのうねりとの親密な交流を探求する。時間、空間、記憶は、作品の中のテキスタイルのように、なめらかな絹のような表面と、ソリッドな深みを重ねもつ。

彼女は、身体と自身の過去に執着する。これは『靴ひもを結ぶアテナ』(2016)を含むこれまでの作品に顕著にみてとれる。また、フィクション、個人的な記憶、歴史的な事実を入念に調査し、それらを複雑に織交ぜながら、まったく異なる物語を編み上げる。さまざまな素材や事象に光をあて、その反射をいかに表現するかを探求しながら、創造と破壊、時間の流れと静止、脱構築の可能性をみせていく。

作家ウェブサイト: http://adelinaivan.ro/ 

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