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伊佐治雄悟『イサジパターン3』Pre Ongoing School (出演:小沢裕子)

伊佐治雄悟個展『イサジパターン3』最終日、プレオンゴーイングスクールがございました。

 

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3月19日(日)17:00〜
Pre Ongoing School「SPEAKERS」
作家本人による展示作品の解説を含めてのレクチャー 
出演:小沢裕子
※本イベントは小沢裕子氏のみ在廊します。

作家本人は別の場所から、小沢裕子氏の声を通して作品解説を行います。

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通常、プレオンゴーイングスクールとは、展示作家本人が自分の作品について話すレクチャーイベントですが、今回はアーティストの小沢裕子さんをお迎えして特別な仕掛けのなかで作品解説を行ってもらいました。

 

イベント開始時間になると、伊佐治さんは姿を消し、作品の画像が映し出されたモニタ画面の前に小沢さんが座りました。よく見ると、小沢さんは青いイヤホンをつけています。

 

「それでは始めたいと思います。皆さん、お集りいただきありがとうございました」

 

小沢さんが話し始めました。青いイヤホンは電話に接続されており、伊佐治さんと繋がっているようです。

伊佐治さんが電話で話し、その言葉を小沢さんが自分の身体をとおして、お客さんに届けるというシステムです。会場のモニタ画面は、伊佐治さんの遠隔操作によって動かされています。

 

「今日は小沢裕子さんに来ていただいています。携帯のスピーカーはオンになっているので、質問などあれば少し大きめの声でお願いします」

 

本人に「小沢裕子さんに」と言わせる伊佐治さんと、少しも照れずに言ってのける小沢さん。おお。

 

まずは1階カフェで、展示の話から。

ホチキスやボトルの新作について、制作の方法などを丁寧に説明をしてくれました。音声があまりクリアじゃないようで、伊佐治さんと小沢さんに時差があるようでした。どきどき。このイベントどうなることやら!

 

そして全員で2階展示室へ。解説はさらに展示の仕方に移ります。

 

「以前は『ギャラリーで作品をいかにかっこよく見せるか』というインスタレーション的な意識で展示していたのですが、最近は考え方が変わってきました。作品が売れたりして、買ってくれたひとの家に行ったりすると、自分の作品がまったく意図していなかった形で設置されていることが何度かあったんです。それで僕は『作家が作品に対して責任をとりうる範囲』について諦めました。以前、一緒に展示した僕の尊敬する先生とも『たとえ道端にあったとしても作品として見えるようにしたい』と話したのですが、作品がどこに置かれていても成立するようにと考えるようになりました。

 

Ongoingはホワイトキューブではなく、梁がむき出しだったり階段があったりとノイズの多い環境です。そこで、今回は(インスタレーション的な)演出をせず背景を手つかずの残して見せようと思ったんです」

 

たしかにギャラリーや美術館で作品をみて「ほしい」と思っても次の瞬間には「でも自分の家でこんなにかっこよく飾れるだろうか」と不安になることが多々あります。Ongoingはもとの民家のディテールを利用した展示空間となっているので、ホワイトキューブよりも、生活を感じる場所と言えるでしょう。

 

このあたりの時間からパフォーマー小沢裕子の凄さがでてきます。1階カフェでの解説の時間が「(ラジオのように)チューニングしていた時間」とすれば、2階展示室での解説は「伊佐治さんとシンクロ度のかなり高い時間」でした。小沢さんは話しながらどんどん伊佐治さんになっていきました。露骨なモノマネをするわけではなく、ごく自然にジェスチャーが入ったり、言葉の間合いがどんどん伊佐治さんになっていきます。このとき、参加者から、伊佐治さんの答えにくそうな質問が出たのですが、小沢さんの身体をとおして伊佐治さんが少し困っているのを感じたほどでした。目の前では可憐な姿の小沢さんが通常の声で話しているのに、伊佐治さんの姿が重なって見えてゾクゾクしました。

 

 

最後にもう一度1階カフェに降りました。

このとき話していたのは、伊佐治さんと小沢さんが参加したマレーシアでのグループ展の話でした。伊佐治さんは、電話で小沢さんの出品作品について話し、小沢さんがそれを会場で話します。

 

伊佐治&小沢「小沢さんが展示していたのは、日本語がまったくわからない外国人に、ある日本語のテキストを書いてもらうという作品でした」

 

(お客さんからの質問)「そのテキストの内容はどんなものだったんですか?」

 

伊佐治&小沢「えっと、どんな内容でしたっけ。たしか・・・あとで小沢さんに聞いてみてください」

 

こんなやり取りがあってどきどきしました。小沢さん、自分の作品のことを質問されているのでもちろん答えられたはずなのに、そこはルール厳守で、自分の言葉を足さないなんて…。ムズムズしますね。他にも、伊佐治さんよりも小沢さんのほうが詳しい出来事について話す瞬間がたくさんありました。小沢さんもロボットではないので、たまに一瞬「あ、伊佐治さんそこはちがうな」という表情が出ますが、すぐに引っ込めます。言葉では忠実に伊佐治さんを再現をしていましたが、そういう瞬間に小沢さんの「我」のようなものが、ふわりと現われたり消えたりするのがとても面白かったです。

 

 

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↓ 小沢裕子に戻った、小沢さん。

 

↓ イベント終了後、会場に戻って皆さんとお話する伊佐治さん&小沢さん。

 

伊佐治さんの展示の話、とても面白かったです。

そして、伊佐治さんの声を伝える巫女のような小沢さん、気持ちわるくてとてもステキでした。

おふたりとも、面白いプレオンゴーイングスクールありがとうございました!

 

| プレオンゴーイングスクール | 19:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
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