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山本篤さんのプレオンゴーイングスクール

先週日曜日、山本篤個展『祈りのフォーム』のプレオンゴーイングスクールがあり、山本さんご本人から展覧会について色々伺うことができました。ここでは特に印象的だった「祈り」というキーワードにまつわるお話を、皆さんにお届けしたいと思います。

 

 

【「祈り」への興味】

以前から漠然と抱いていた「祈り」への興味が、山本さんの中でより大きく強くなったのは、ザンビアへの出張やベトナム滞在(2018年〜2019年)がきっかけでした。多くの人の日常生活のなかに自然と「祈る行為」がとけこんでいるのを目撃し、「祈り」について考えることが多くなったそうです。

 

(山本さん)「僕は、宗教と同じように『祈り』も人間の発明だと捉えています。『祈り』が必要とされるは、生命の継続的な維持がむずかしい時代や、不安が多い地域だと思うんですよね。つまり、コントロール不可能な状況や、解決できない問題に対して、人々が自分の願いや想いを外に向けてぶつけたり、ゆだねたりする行為が『祈り』だと思うんです。

もっと大きなスケールでいうと、『世界は理不尽で不条理な場所である』ということが真なのではないかと、僕は常に思っています。その理不尽でコントロールできない世界に対して、心の平穏を保つための調整機能としてあるのが『祈り』じゃないかと思うんです。祈る行為をすることで、自分を世界にアジャストさせるというか。それは祈る対象が誰なのかよりも、自分の想いに矛先があるという状態自体が大切なのではないかと自分の中で仮定して、『祈り』という言葉の周りで作品を作ることにしました」

 

【「祈り」とアート】

日本で、お盆やお墓参りなど特別なとき以外、お祈りをよくするという人はどれくらいいるのでしょうか。仏教や神道に関連する行事や習慣は多くありますが、(特に若い世代で)宗教的な意味合いで祈ることが日常生活のなかに根付いているとは言えません。しかし、これから私たちが生きていくなかで、気候変動、人口、経済、政治など、社会がかかえる不安は大きくなるばかりです。そんな不安な時代、日本でもふたたび「祈りのようなもの」が必要とされるとき、「アートが『祈りの作用』を担えるのではないか」と山本さんは話します。

 

(山本さん)「日本に、さらに不安な時代がやってきて、人々が『祈りのようなもの』を必要としたとき、何が宗教的な『祈り』の代わりができるのかと考えました。僕は、アートが『祈り』と似た作用をつくれるんじゃないかと思ったんです。ちょっとおこがましいような気もしますけどね。

世界が不条理で理不尽であることはもう自分の力ではどうにもならないけれど、アートを体験することで、そんな世界の在り方に対する心の持ちようみたいなものを、深いところから形成していけるのではないかという気がしています」

 

 

 

「アートが「祈り」の作用をつくれるかもしれない」。プレオンゴーイングスクール終了後も、しばらく私の頭の中で鳴り響いていました。アートを信じる強い言葉が頼もしくて、恐ろしくも嬉しくなりました。

そして、山本さんが「世界は不条理で理不尽だ」ということを普遍的な真実として話し続ける姿勢がまた面白かったです。不条理で理不尽だから、それに抗ったり秩序をつくりだそうということは決してせず、絶対的な不条理を受け入れてその中で「祈り」について考え続けている山本さんの作品、ものすごく面白いです。展示は、今週日曜日(1月19日)まで!18日&19日20時〜には、内容極秘のまま開催される、謎の親密イベントもございますので、ぜひご参加ください。(私は、第1回「鉄」に参加しましたが、いまだに「あれは何だったのだろうか」と、ふと変な気持ちになります)

 

2020.01.04 [土] - 2020.01.19 [日]
12:00-21:00 

■■■
1月11日(土)20:00〜
誠実な暖房とあたたかい時計 「鉄」
 

1月18日(土)20:00〜
誠実な暖房とあたたかい時計 「兆」
1月19日(日)20:00〜
誠実な暖房とあたたかい時計 「札」

展示作家が提案する「寒い夜の、ある親密な時間」。
何が行われるかは参加してのお楽しみです。
是非ご参加ください。
各回参加費:1000円(軽食+1drink+入場料)
展覧会詳細

 

| プレオンゴーイングスクール | 15:22 | comments(0) | - |
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