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強さ、じゃないもの
「大事に煮つめて家で綴る」展の最終日、
プレオンゴーイングスクールで、吉田さんにお話を伺いました。





【吉田さん:不安定で、不確かな】

「なるべく、メッセージ性の強さをもたせないようにしてるんです」

トレーシングペーパーに、何人もの女の子が
描かれている《日曜日のスーパーマーケット》を前に、
吉田さんは説明をしてくださいました。


「わたしは、軽くて薄っぺらい素材をあえて使いたいと思ってるんです。
 トレーシングペーパーは、薄くてぺらぺらしていて、
 まさにイメージ通りの素材でした。
 強いメッセージ性も持たせたくなくて、扱うテーマも
 『だから、なんなの?』みたいな些細なことが多いですね」

ぺらぺらした素材に、「だから、なんなの?」というテーマ。
吉田さんの作品は「強さ」の対極にあるようです。

「日常生活のなかで、ふとなにかを感じることってあるじゃないですか?
 自分で感じたり、思ったりしたことなのに、
 次の瞬間には忘れてしまいそうな、すぐに消えてしまいそうな……
 だけど、確かに感じた、本当はとても大切なことかもしれない、なにか。

 そういう不確かで、不安定なものを、おそるおそる、表現したいんです」




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先日のトークショーで、ゲストの会田誠さん(美術家)が
こんなことを仰っていたのが印象的でした。

「最近、北京に半年間滞在する機会があって、強く感じたんだけど、
 いまの中国や韓国の現代美術は、マッチョではっきりしていて、
 勢いがあって、日本よりも全然もりあがっている。
 国際戦略もしっかり考えたりしていて。だから、はっきり言って、
 中国や韓国に、もう日本は勝てないだろうなと思ったんです。

 そんなことを思っていたんだけど、帰りの飛行機のなかで、
 ふと泉太郎のことが頭に浮かんだんですよね。それで、ああそうか、
 日本の現代美術は、意思の薄弱さとか、脆弱さで戦えばいいんだって
 思ったんですよ。庇護したくなるような、守りたくなるような、
 か弱さというか、そういうものこそが、今の日本の現代美術の
 メリットなんじゃないか、って思ったんですよね。

 というか、もはや、そういうところでしか、
 日本は、中国に勝てないんじゃないかと思うんです。
 なんだか、ヘンテコな勝ち方なんだけどね」

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吉田さんのレクチャーに耳を傾けながら、
そんな会田さんの言葉を思い出しました。

「不確かで、不安定なもの」で、「おそるおそる」。

「メッセージ性の強さ」とは対極にある吉田さんの作品は、
もしかして、会田さんが言うところの
日本が国際的に勝ち抜くための要素を持ち合わせているのかもしれません。


大変興味深いプレオンゴーイングスクールでした。
吉田さん、ありがとうございました。

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さてさて、Art Center Ongoing は、1週間お盆休みをいただいております。
18日(水)から「ポテトと河童とラブレター」展が始まります。
初日の18日、さっそく作家本人によるレクチャー、
プレオンゴーイングスクールがございますので、ぜひご参加くださいませ。

それでは、皆さま、すてきなお盆をお過ごしください。
| プレオンゴーイングスクール | 15:17 | comments(0) | trackbacks(0) |
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