CALENDAR
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
『君が望むなら』−多田佳那子さんのはなし
2014.02.26 [水] - 2014.03.09 [日]
12:00-21:00 定休:月、火 入場料:¥400(セレクト・ティー付き)

先日行われたpre ongoing schoolで伺ったお話をもとに、
現在展示中の多田佳那子さんの作品をたのしむための4つのキーワードをここでご紹介します。

1 切り抜きとモチーフ

「特定のものや写真を絵に描くと、それ自体に重要な意味があるみたいに見えそうで、嫌なんです。そうではなくて、わたしは、わたしが見ているもの全てを見せたい。だから、切り抜きを何枚も組み合わせて、絵を描いています。」

先日のプレオンゴーイングスクールで、モチーフ決めについて話してくれた多田さん。好きな写真集や雑誌の切り抜きをたくさん床に置き、いろいろな組み合わせを試して決定しているそうです。




2. アートと日常

多田さんの絵には、最後に上から描き足したような、かわいらしいモチーフがたくさん登場します。

「学校やアトリエで絵を描いて、帰ったあとはテレビや恋愛の話をする… 大学に入ってから、自分のアート活動と日常生活のあいだに距離があることに気が付 きました。わたしは、日常のなかにも、面白いことや疑問に思うことがたくさんある、それをどう作品に取り込みたいと考えたんです。」

そこで、多田さんは、日常のなかで目にする絵やイラストを絵に描きこむことにしました。

「電話中につい近くの紙に描いてしまう落書き、街で見かけるTシャツのイラストのような、日常生活にあるものを、あえて足していく。そうやって絵をこわしたほうが、到達点がおもしろくなる気がしています。」

 

3. キャラクター

一般的に、「鑑賞者の想像力によって、さまざまな解釈ができるから面白い」という旨の言葉はよく聞きますが、多田さんの意見は少しちがうようです。

「わたしの絵には、キティちゃんなどの誰でもよく知っているキャラクターが登場することがあります。キャラクターってすごく面白いと思うんですよね。キ ティなら、赤いリボンをつけたかわいらしい白い猫という姿を誰でも思い浮かべることができるし、そこに付随するイメージもかなり限定されます。つまり、 キャラクターは、人の想像力の範囲を瞬時に絞ることができるんです。わたしは、そこを利用して絵を描いてみたいと思ったんです。」




4. アジア

韓国留学をきっかけにアジア圏としての日本を意識するようになったという多田さん。それについて伺いました。

「去年、韓国に留学したんです。韓国人は、わたしたちにとって外国人であるにもかかわらず、外見はほとんど同じです。そのせいか、アジアにおける西洋の影 響がどのようなものかを考えるきっかけになりました。デニムかっこいい、ビヨンセかわいい・・・みたいな、流行面だけではなく、考え方の根本的な部分ま で、西洋から借りてきている。そして、それを面白がったり羨んだりしている。韓国でそんなことを感じながら、いつも頭に浮かんでいたのは日本のことでし た。」

現代において、アジアと西洋の文化は、入り交じっています。輸入・加工・輸出・逆輸入・再加工…を繰り返しながら、さまざまなものがミックスされてきました。多田さんの切り抜き1枚1枚の中でさえも、そういった沢山の要素があるのかもしれません。

「もしも、わたしが死んだあと、遠い未来にわたしの絵が誰かに見てもらえるのならば、感動するよりも、笑って欲しい。(絵に)きちんとださくなっていて欲 しいと思います。だから、普遍的に美しいとされそうなものだけではなく、いま自分が生きていて目に見えるものを全部描いてやりたい、多少強引でも。」

preongoing schoolを終えて- - - - - - - - - - - - - -

多田さんの言葉は強い。
とくに最後の「いま自分が生きていて目に見えるものを全部描いてやりたい、多少強引でも。」が強くて、とても印象的でした。

多田さんの作品、ぜひご覧になっていただきたいと思います。
展示は、本日3月9日21時まで。
トークイベント、パーティーもございますので、ぜひご参加ください。




 
| プレオンゴーイングスクール | 18:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
ゲストトークのお知らせ!
こんにちは。
昨日は雪がちらついていたのに今日はすっかり春の陽気ですね〜



本日はゲストトークがございます。
ゲストは画家の蛭子未央さん。
3月8日(土)19:00〜
料金:1000円 (ワンドリンク+入場料)
お待ちしてます。

そして遂に今週末までとなりました!!
多田佳那子/長谷川維雄『君が望むなら』
作家さんも在廊しております。こちらもお見逃しなく!



そして.........



なんと........





今日ならとってもキュートなパンダちゃんに会えるよ!


 
| プレオンゴーイングスクール | 16:07 | comments(0) | trackbacks(0) |
鮫島大輔『SIGN』Pre Ongoing School

鮫島大輔『SIGN』2014.02.05 [水] - 2014.02.16 [日]

 

本日のpre ongoing schoolで、鮫島さんから作品についてお話を伺うことが出来ました。

 

 

鮫島さんの作品に描かれている風景は、なにか目立つランドマークがある場所でも、なにか事件が起きた場所でもありません。
たとえば通学路のように、特に意識せずとも目の端に映る「なんでもない風景」が描かれています。鮫島さんは、そんな、日々の喜びや悲しみが溶け込んだ「人生の背景」のような「なんでもない風景」に強く惹かれるのだと言います。

 

「『なんでもない風景』を描きたいと思っているんです」

 

しかし1つ問題がありました。「なんでもない風景」を「なんでもない」印象のまま、作品にするにはどうしたらいいか?という問題です。実際の風景には、中心や主題があるわけではなく、ただ全ての要素が同じ強さでそこに存在しているのです。キャンバスに描くと、中心がうまれ、そこにフォーカスや意味が生じてしまいがちです。「さてどうしたものか」と、鮫島さんのさまざまな支持体の実験が始まりました。

 

これまで、鮫島さんはキャンバス以外のさまざまな支持体に風景を描いてきました。球体、額縁、動物型の立体、そして今回の『SIGN』。(http://samejima-daisuke.blogspot.jp/)一見バラバラのようですが、実は共通するポイントがあります。それは、中心が捉えにくく、鑑賞者次第で見え方が変わる仕掛けをつくることができるという点です。こうして、鮫島さんは「なんでもない風景」に、中心や主題をつくらずに、なんでもないまま描くことを探求し続けているのです。

 

 

今回、『SIGN』でつかわれているアルファベットの立体は、街のなかで実際に使われていた中古の看板だそうです。かつて、なんでもない街角に佇んでいた看板に、いま鮫島さんの「なんでもない風景」が描かれています。

 

それは、「なんでもない」が重なりあって出来ている、わたしたちの「人生の背景」そのもののようです。

「絵というのは面白いもので、描き手が対象にたいして、好奇心や愛情をもてばもつほど、その絵はおもしろく、良い絵になると思うんです」と鮫島さんは話してくれました。その言葉を踏まえて、あらためて看板たちの前に立つと、鮫島さんがいかに何の変哲もない家やコンクリート道や電線に愛情と好奇心をもっているかが感じられます。

 

なんでもない風景をとても美しく感じる瞬間は、いま自分が生きている世界への肯定感に満ちあふれています。鮫島さんの『SIGN』は、なんの変哲もないながら、とても幸せな「人生の背景」が集まっているように見えます。

 

展示は本日21時まで。皆さまのお越しをお待ちしております。

 

 

| プレオンゴーイングスクール | 20:59 | comments(0) | trackbacks(0) |
東方悠平 プレオンゴーイングスクール2

(前半の作品解説はこちら!)

プレオンゴーイングスクール後半は、1階のオンゴーイングカフェでお茶とケーキを召し上がっていただきながら、過去作品やニュージーランドでのレジデンス経験についてお話を伺いました。



【フランシス・アリスーTurista】

「先日、フランシス・アリス展をみに行きました。初めのほうに、フランシス・アリスがアーティストとしての自分のスタンスを端的に表している作品がありました。それは、旅先で人々が仕事を得るために、自分のできることを書いた看板をかかげている写真です。
メキシコで、『Electricista(電気工)』や『Plomero GAS(ガス配管工)』という看板をかかげる人々に交って、フランシス・アリス本人もいるんですが、『Turista (観光客)』という看板を掲げているのを見せる作品がありました。僕は、ニュージーランドのレジデンスから戻ってきて、次の日にアリス展に行ったので、その作品がぐっと心にきたんです。」

東方さんは、このように前置きし、レジデンス・アーティストの作品について話してくれました。

【レジデンス・アーティストとしての作品】

「その『Turista』というフランシス・アリスのスタンスは、レジデンス・アーティストとしてのスタンスに通じるものがあります。

レジデンスのアーティストは、つねにアウトサイダーとして、自分の滞在する土地の特殊性や問題をみつめ、表現することが多いでしょう。そこでしか出来ない作品や、問題点を題材にした作品。それはそのアーティストにとっては新鮮なトピックかもしれませんが、現地の人々にとっては『何を今更そんなことで1人で盛り上がってるの?』と、特に面白くないものかもしれません。

そういう意味で、レジデンスっぽい作品というものが存在するような気がしています。」



そして東方さんは、ニュージーランド滞在での展示について話してくれました。

「僕は、ニュージーランドでの展示で、ニュージーランダ―に見せることを意識して作りました。でも、今ふりかえってみると、やっぱりニュージーランドの人々にとっては、『今更そんなこと…』と思われてしまったかもしれません。うーん、難しいなぁ。まだまだ模索中です。」

ニュージーランドでどんな作品を発表したかは、ぜひ東方さんご本人にお聞きしてみてください!!これから海外で活躍がぐんっと増えそうな東方さん。これからのレジデンス・アーティストとしての作品、楽しみです☆

また、Ongoing AIRのアーティストたちの作品を観る際の楽しみ方のヒントにもなりそうですね!

プレオンゴーイングスクールご参加くださった皆さん、東方さん、ありがとうございました!

- - - - - - - - - - - - - - - -



Facebookページで、もっとたくさん写真がご覧いただけます。
アカウントお持ちの方はもちろん、お持ちでない方もご覧いただけます。ぜひアクセスしてみてください!
https://www.facebook.com/ArtCenterOngoing




| プレオンゴーイングスクール | 17:22 | comments(0) | trackbacks(0) |
東方悠平 プレオンゴーイングスクール1

  6月16日(日)、東方悠平『死なないM浦Y一郎 -The Skiing Dead-』のプレオンゴーイングスクールが開催されました! 




まずは、2階ギャラリーで作品解説。


【M浦Y一郎と東方さん】


M浦Y一郎って誰のこと? すぐピンときた方も多いかもしれません。最近、ちょうど話題になったニュースがございましたね。「おー、東方さん、タイムリーな題材つかったなぁ」と感じていらっしゃる方もいるかもしれません。

でも、実は、東方さんとM浦さんの歴史はもっと深いのです。出会いは、小学生の頃。

北海道出身の東方さんは、幼少の頃から、学校でもプライベートでも、スキーが必須でした。雪国ご出身の方はご存知かと思いますが、雪深い地域では小学校の必修でスキー合宿があったり、スキークラブが発達していたりします。

そして、なんとっっ、北海道にはM浦Y一郎氏のスキースクールがあるそうです。

幼少の頃から耳にしてきた「M浦Y一郎」の名を、東方さんはいつしか強く意識するようになっていました。スキーヤーとして、登山家として強靭な体力をもつ者として、そしてスキースクール経営者としての顔をもつ者として、ずっと気になっていたそうです。そして、東方さんは、アーティストとして活動するにあたり、いつか彼を題材にして作品をつくりたい!と考えていましたが、なかなか発表する機会に恵まれませんでした。

そんなとき、絶好のタイミングでOngoingでの個展の話があり、念願の『死なないM浦Y一郎』展の実現に至ったのでした。



【The Skiing Dead】


最近の一連のニュースで、M浦Y一郎氏を知った私(日曜スタッフ、ゆきえです!)にとって、彼は「世の中の老年世代に希望を与えたおじいちゃん」という印象でした。なんというか、キラキラした存在に感じられていたのです。

しかし、東方さんの作品からは、キラキラしたヒーロー的存在とはまったく異なるM浦さんの姿が表現されています。

「この映像があまりに衝撃的で、僕の中ではこういうイメージなんです」

東方さんがそう言って見せてくれた映像がこちら。↓ 
http://vimeo.com/16956184

たしかに衝撃的です。ぜひ、東方さんの作品をご覧になった方にも、これからご覧になる予定の方にも、チェックして頂きたい映像です。





【つくったものを】

「日用品を並べて、その色やテクスチャーで何かを見せるっていう作品を見飽きてしまったんです。今更それやってどうするの?という気持ちもあって・・・。だから、今回は既製品を既製品のまま展示するということはしていません。すべて作ったもので構成しています。」

と、東方さん。

いつのまにか、私たちは美術館やギャラリーで「日用品」や「既製品」を鑑賞することに疑問や感慨を抱かなくなりました。もちろんかつてはそれが革新的なムーブメントでしたが、あまりにも日用品を使う作品が多くなった今、日用品がアクセントとして使われていない展示空間はなかなか新鮮なような気がします。


2へつづく)








| プレオンゴーイングスクール | 16:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
柴田祐輔 preongoing school 2 「フィクション」「現実」
 
【フィクション、ノンフィクション、その先】

2階ギャラリーには、偽の作業員の写真と、本物の作業員の写真が織り交ぜられています。

「フィクションとノンフィクションをまぜることで、その先にあるものを見せられないか、と考えています」

このスクールの前夜、4月20日(土)、カンパニー松尾さんをお呼びしたトークショーでも、「フィクションとノンフィクションの境目」については何度も話題にのぼりました。カンパニー松尾さんの作品には、AVに必要とは思えないような、リアリティを感じさせる場面や字幕が沢山入れられています。特に、『中出しグラマラス』について、柴田さんは次のようなことを言いました。

「カンパニー松尾さんがハメ撮りしてるんですけど、カンパニー松尾さんと相手の女優さんの気持ちが、どんどん高まっていって、最後に中に出しちゃうんですよ。2人ともいい表情をしているし、すごくいいシーンなんです。なのに、そのあと『このことは、事前の打合せで決まっていたことだった』みたいな字幕が入るんです。
えーっ!て思いましたよ。ノンフィクションだと思っていたものが、実はフィクションだと明かされて・・・。初めから打ち合わせで決まってたことなのに、フィニッシュに向けての2人の心の中はどうだったんだろう、とか、でもそんなの関係なくて
あの瞬間の2人の昂ぶりみたいなのはものすごくリアルでした。
ドキュメンタリーとか、フィクションとか、その境界線をかき回された上に、その先の切なさとかリアリティとかまで想像しちゃって、見た後に頭ン中ぐっちゃぐちゃになりましたよ。カンパニー松尾さん、やっぱすげーなぁって思ったと同時に、あまりに面白いことをAVを通してやっていらっしゃるので悔しくて嫉妬しましたよ。」


これを聞いたカンパニー松尾さんは、「僕のこと買い被りすぎですよ」と照れていましたが。(笑)

フィクションとノンフィクション、その先。
柴田さんの作品を観るときのポイントの1つになりそうです。



【現実について】

ありふれた日常(現実)を異なる視点から捉えた作品を発表するアーティストは多数います。
たとえば、目の前の現実を物語に変換して日常に新鮮な歓びを見出させる作品や、現実の隠れた物語を晒すことによって人々に警鐘を鳴らす作品などのタイプがあります。しかし、柴田さんはそのどちらでもありません。

「僕にとっては、現実が一番おもしろくて、いつも現実にこそ圧倒されるんです。でも、現実をそのまま見せるだけでは、作品にならない。だから、どういうふうに現実に介入すればいいかをいつも考えています。作品によって現実のおもしろさに焦点をあてたい。」

柴田さんは、現実を物語として賛美するわけでも、現実に対して批判を繰り広げるわけでもなく、ただただ、現実そのものに対して興奮し、その興奮を人々にも感じてもらえるような仕掛けを考えているようです。





(カラスよけのCD-R、ネコよけのペットボトル。実際に、いろんな家や畑でよく見られる風景ですよね。吊るされたCD-Rや、こんな水の入ったペットボトルがありふれているわたしたちの惑星ってなんだろう?人間ってなんだろう?答えはわからないけど、すっごい面白い・・・かも。)


- - 『惑星』プレオンゴーイングスクールを終えて
(個人的な感想です)- - - - - - - - - - - - - - - - -

柴田さんって、Alien なんじゃないか?と思いました。笑

通常、日本のありふれた日常の風景に対して、「わー面白い!これは何?どうしてこうなってるの?」と疑問を投げかけるのは、たいてい海外からのお客さんです。伝統的な風景、文化のちがい、先進技術などに注目されます。海外の人の視点を通して、日本ならではの特殊な部分を再認識することは多々ありますよね。

しかし、なんの変哲もないコンクリートや天井に興奮して、嬉しそうな表情でお話しする方は、とても珍しい。柴田さんは、日本にいながら、Alien (エイリアン・よそ者)の視点で日本を見ていらっしゃいます。コンクリートや空き缶から、『惑星』に意識が及ぶなんて、ほんとにエイリアンかもしれませんね。地球外生命体だとしても、クレイジーで男前な柴田さん、大好きです。(笑)

柴田さんは、昨年、カナダに長期滞在制作なさっていました。スクールの最後に、カナダの作品も見せて頂けたのですが、海外で実際によそ者になっても、柴田さんは、現実の圧倒的な面白さや強度を表現されていて本当にすごいと思いました。文化のちがいを越えて、「現実」を見せるのは至難の業だったと思いますが、すごく見応えのある映像作品でした。(やっぱりエイリアンかな、柴田さん。)

柴田さんの、日本での作品と海外での作品。どちらも要注目です!
柴田さん、たのしいプレオンゴーイングスクール、ありがとうございました。
| プレオンゴーイングスクール | 20:45 | comments(0) | trackbacks(0) |
柴田祐輔 preongoing school 1 「背景にさわる」

【背景にさわる】

みなさん、これ、なんだか分かりますか?
日本で育ち、生活をしている方ならば、一度ならず目にしたことがあると思います。



学校の教室、病院の病室、市役所・・・

そう、天井です!

正式には「ジプトーン」という天井仕上げ材で、この独特な模様は大理石の表面を真似ているそうです。日本各地のさまざまな公共・商業施設で、ふと見上げると、この天井があります。あまりに、ありふれた風景なので、今まで気に留めたことも、深く考えたこともありませんでした。

日本各地に無数にある施設の天井部を覆っているこの大理石模様の表面。
あえて意識しないで通り過ぎてしまうほど、人々の生活に溶け込んでしまっている、わたしたちの「背景」。

今回、柴田祐輔さんは、その「背景」に焦点をあてました。



まず最初に、柴田さんがありふれた天井に注目したきっかけは、作業員のおじさん(↑逆さになっている写真)でした。

作業員のおじさんが、宇宙にアクセスしているように見えちゃったんですよね。宇宙からの視点みたいに、自分たちのいる場所をグッと引きの目線でイメージしてみたときに、ジプトーンに覆われた、僕らの住んでいるこの『惑星』ってなんだろう?と、強く『惑星』を意識しました。」




家の塀、道に停められている自転車、住宅の垣根、駐車場のコンクリート塀、自販機・・・など、人々が絶対に見たことがあると感じるモノモノに対して、柴田さんたち扮する偽の作業員が謎の作業行為を施しています。

「作業員のおじさんが、僕らの背景にさわったことによって、いつもは意識していなかった背景に焦点が合ったんです。

そして、僕らは、無数の無意識的な背景に囲まれている!という現実を感じてすごく圧倒されたんですよね。自分たちは宇宙の中の1つの惑星に住んでいて、それがどんな惑星なのか、みんな情報としては知っているけど、現実としての実感はない。現実は、ジプトーンや何の変哲もないコンクリート塀に覆われている。そういうことを引きの目線で考えたとき、こういう背景が広がってるこの惑星ってなんなんだろう?そもそも人間って何だろう?と感じました。

それで、ありふれているがゆえに意味をなさないモノ(現実)にどうにか介入して作品が作れないかと考えたんです。その結果、ふだん見ずに通り過ぎてしまう背景を作業員に囲ませることによって現実を可視化したいと思い、今回はこのような作品になりました。」


(つづく)



| プレオンゴーイングスクール | 19:27 | comments(0) | trackbacks(0) |
成田久 レクチャーの宴 2(Pre Ongoing School)
 
前回の記事のつづきです。



今回、展覧会DMを見たお客さまから、「これって作品のためにメイクして撮影したの?」という質問がたくさん寄せられました。まさか本当の婚礼の宴のようすを展示にしちゃうなんて!確かに、自分だったら・・・と想像すると、かなり勇気の要ることかもしれません。

CUEちゃん「DM 見た人に『あれって両方ともCUEちゃんが変装して撮ってるんじゃないんですか?』って言われたりして笑っちゃった。遠目だから顔まではよく見えないのね。あの衣装は、お2人のためにつ くったものだし、もうお2人のものだから、僕が『お借りする』という形で展示させて頂いてるの。本来は、とてもプライベートなものだし、見せ物のような感じにしたくないと思っていたから、『嫌だったら遠慮しないで言ってね』とは伝えたけれど快諾してくれて本当によかった。」

神之門さん「結婚って、普通は2人だけのもののはずなのに、展覧会になるってすごく面白い経験ですよ。DMになったり、いろんな人に見てもらうって、なんかすごく不思議な感じですね」

林さん「ほんと!自分たちの結婚が装苑に載るなんて!自分たちのことなのに、自分たちじゃないみたいな、すごく面白い感じです。それに、ふつうのウエディングドレ スって、お客さんも『きれいね』って眺めるだけじゃないですか?でも、CUEちゃんのつくってくれたドレスは、みんな触りたがってくれたんですよね。『こ れ、どうなってるの?』『どんな感じ?』って。それがすごく楽しくて。いい宴だったなぁと思います。」

楽しそうに話す神之門さんや林さんのお顔を見ていると、うらやましくなってきました。わたしも、そんな結婚パーティーしたい!

さてさて、レクチャーの宴の後半は、2階展示室で雅楽の演奏。
お祝い事には欠かせない「越殿楽」と、幸福祈願の「陪臚」の2曲を聴かせていただきました。小さな楽器から出ているとは思えないほど迫力のある、独特な音色にウットリしてしまいました。

雅楽の演奏


神之門さん・林さん


思わずさわりたくなる :)


すてきな3ショット♪


とても楽しいレクチャーの宴でした。
CUEちゃん、神之門さん、林さん、雅楽のみなさん、
ご来場くださったお客さま、本当にありがとうございました!!


CUEちゃんの展示は終わってしまいましたが、CUEちゃんがポスターのアートディレクションをしたNHK大河ドラマ「八重の桜」、毎週たのしみにしています♪ (笑)
| プレオンゴーイングスクール | 17:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
成田久 レクチャーの宴1(Pre Ongoing School)

成田久展覧会「神さまの宴」では、昨年末、ある新郎新婦のために、CUEちゃんこと成田久さんが仕立て上げたオリジナル婚礼衣装が、実際の宴のようすとともに展示されました。

展示最終日となる2月11日(月/祝)のプレオンゴーイングスクールでは、神之門隆広さん(新郎)と林京子さん(新婦)をお招きして、CUEちゃんと、衣装の着心地や当日のようす、後日談などをお聞することができました。またトークの後には、2階展示室で、宴当日にも演奏された雅楽のコンサートがありました。笙・篳篥・琴による演奏を間近で聴くことができるなんて、大変貴重な機会に、CUEちゃんもお客様も大興奮でした。

このブログでは、印象に残った3人のお話とレクチャーのようすをご紹介したいと思います!
Ongoing Facebook Page に、たくさん写真をアップいたしました。(アカウントをお持ちでない方もご覧いただけます。)



皆さま、新郎新婦の衣裳ときいてどんなものを想像するでしょうか?

CUEちゃんがお2人のために考えたデザインは、わたしが想像したどんなものとも異なりました。下の画像は、CUEちゃんがまずお2人に送ったデザイン画。資生堂のお仕事の際も、このように手描きのデザイン画を描くそうです。かわいい!!

神之門さんと林さんは、CUEちゃんに全幅の信頼を置き、衣裳のデザインはすべてお任せだったそうです。

CUEちゃん「2人からは、衣裳をつくってほしいっていう以外、特別なリクエストはなかったんだよね。ただ、宴の会場の雰囲気だけ聞いていたから、雅なものをつくろうと考えていました。あと普通に買えるドレスよりも、大きなサイズのものをつくろうってことも考えてた。それで、デザイン画かいて2人に送ったら、2人ともすぐに『OKです。これでお願いします。』って言うから驚いちゃった。もっと色々言われると思ってたから」



すると、デザインを見た神之門さんからは、こんなコメントが。

神之門さん「CUEちゃんの作品は以前から拝見していたので、普通のデザインではないだろうなと想像はしていましたし、信頼もしていたので『え?なんなのコレ』って感じはありませんでしたよ。それよりもなんだか感動してしまったんです。CUEちゃんは、資生堂のTOPにいる有名人なのに、デザイン画を見せてくれるときに、すごくモジモジしてたんです。モジモジしながら、『僕はこれがいいと思うからこういう風にしたんだけど、なにかリクエストとか気に入らないところがあったらぜひ言ってください。直しますから。』って言ってくれたんです。そんなCUEちゃんを見て、すごく信頼できる人だなぁと、ますます思いました。」

衣裳が出来上がって手元に届いたあとのことについては、林さんがこんなことを話してくれました。

林さん「まず、衣裳を着て寝てみたりしましたよ。自分のものとして馴染ませたかったんです。それから、鏡の前で、これを着たときどういう風に歩けば美しく見えるか研究しました。(笑)あと、裾がめくれたときに何を履いていたら素敵かなぁと考えたりもしました。その結果、わたしは足袋、彼は裸足になったんです。」

たのしそう!!誰も見たことのないような衣裳だからこそ、いろんなオリジナルの工夫ができるって素敵ですよね。



↑宴とは別に、神之門さんの地元の海岸で写真を撮る2人。撮影は、神之門さんのお父様。初めは戸惑っていたお父様もだんだんノッてきて、「ここのほうが綺麗に撮れる!」と撮影を楽しんでいらっしゃったようです。CUEちゃんの衣裳のふしぎな魅力にのせられて、たくさんの人が笑顔になるってイイですよね!


その2へつづく)
| プレオンゴーイングスクール | 17:14 | comments(0) | trackbacks(0) |
Orrorin Preongoing School
1月13日(日)、Orrorin 「hubn't」最終日!
プレオンゴーイングスクールが開催されました。


2階展示室で、Tシャツの作品を説明するOrrorinメンバー。
3stone(約3000円/通貨:stone)で買えるTシャツ。海外旅行へ出かけたらこのTシャツを着て、現地人に自分のカメラを渡し、写真を撮ると自分のオリジナルTシャツがつくってもらえる!万が一、カメラがそのまま盗まれてしまったら、現地警察の盗難証明書をOrrorinに送れば、Orrorinの美術作品と交換ができる保険つき。

 
入国審査。審査官がお客様を観察し、容姿にかんする細かいチェックリストに印をつけていき、パスポートを作成します。出国が完了するまで、ある仮想の国に入国したままなので注意。
http://orrorin.tumblr.com/(出国は日によって変化します)


入国審査・出国審査の説明


2階におりたあと、突然、身体検査がはじまりました。
チェック項目も以下のようにふしぎです。

*目を思いきりつぶった時のしわの数

*体を曲げたまま出す声
犬 亀 冷蔵庫 インコ



指の長さをはかるOrrorin メンバー。


チェックリスト


身体検査が終了して、「これで、あなたたちはOrrorinメンバーの一員です」。これは、Orrorin加入のための抜き打ち審査だったようです。実は、この日のスクール参加者をすべてOrrorinに取り込んでしまおうという計画でした!お客様たちは、突然で戸惑いながら、楽しそうでした。


Orrorin 会議のはじまり!まずは前回、京都で開催した展覧会の解説から。





そして、新メンバーたちの活動プレゼン。偶然にも、アーティストやキュレーターの方ばかり!話もはずみました♪ 本展の搬出にかんする打ち合わせをして、「それでは、よろしくお願いします」と、すっかりみなさんOrrorinの一員でした! こうやって、たくさんの人をまきこんでいくんですねー。

Orrorinの皆さん、ありがとうございました!
| プレオンゴーイングスクール | 10:10 | comments(0) | trackbacks(0) |
<< | 2/9PAGES | >>